こんにちは、行政書士補助者のサクラです。
新米補助者の箸休めコラム、本日もよかったら、
最後までお付き合いいただけたら嬉しいです。
サクラって誰?って思われた方は、
第8回コラム【初投稿】補助者、登場もよかったら読んでくださいね。
さて、本日の業務は?
遺産分割協議書作成のために、職務上請求を使って
相続人や個人の戸籍謄本等を各自治体へ請求する書類作成。
耳慣れない言葉がいくつか、、、
いや、これを読んでくださっているあなたにとってはそうでもないですかね。
でも、念のため。。。
まず職務上請求とは
弁護士、司法書士、土地家屋調査士、税理士、社会保険労務士、弁理士、海事代理士又は行政書士は、
戸籍法10条の2第3項
受任している事件又は事務に関する業務を遂行するために必要がある場合には、戸籍謄本等の交付の請求をすることができる。
要するに、依頼を受けた業務(今回は遺産分割協議書作成)のために
必要がある場合は、行政書士は戸籍謄本等の交付請求ができるのです。
ポイントは依頼を受けた業務のためである必要があるということ。
依頼も無いのに勝手に他人の戸籍や住民票を取得することはできません。
(もちろん職務上請求が可能などの士業の場合でも、それは用いずに依頼者から委任状をいただいて請求する場合も多く、当事務所でも原則はそのようにしていることをお断りしておきます。)
また遺産分割協議書とは
遺産分割で合意した内容を明らかにした書面です。
誰がどの財産を相続するのかを、細かく記したものになります。
作成には「相続人全員」による署名・押印が必要です。
上に書いた通り、遺産分割協議書は「相続人全員」の合意が成立したことの証ですので、
その大前提として、相続人を特定する必要があります。
この相続人特定のために必要な作業として、被相続人(故人)の戸籍を辿る必要があるのです。
戸籍は古文書みたい?
遺産分割協議に参加すべき相続人を確定させるために必要な戸籍は、被相続人死亡時の戸籍だけではなく、
被相続人の出生〜死亡までの全ての戸籍が必要となります。
もちろん、これは相続人となられた、どなたでも自分で取得することができます。
がしかし、残念ながら現在の戸籍だけで事足りることはほぼないのです。。。
相続人様が見たことも聞いたこともない戸籍が存在していたかもしれないのです。
今はどの自治体もデータ化された戸籍を管理しています。
しかし以前はどうでしょう?
そう、紙で管理されていました。
私は補助者の業務について初めて知りましたが、
平成6年に紙形式から、電子データ化に変更が順次行われているため、
平成6年以前に生まれた方は、間違いなく、これだけでも2つの戸籍
「現在戸籍と改正原戸籍(古い戸籍)」が存在するのです。
また、結婚された方であれば、さらに。。。
このように、被相続人の出生〜死亡までの一連の戸籍を取得するということは、
なかなか骨の折れる作業なのです。
そしてそして、、、この紙での戸籍がまた難儀でして(笑)
高齢である場合は特に注意が必要なのですが「紙」ということは、、、
そうです、昔はその戸籍情報、手書きで書かれていたのです。
手書き〜!!!!
(当たり前ですが、書いた人によっては判別するのに非常に苦戦します)
実際に目にして驚きましたが、それはまるで古文書のようなのです(笑)
その一つ一つを読み解き、出生まで遡る必要があるのです。
戸籍に関する知識を有していないと、これがなかなか難しかったりします。
実際のところ何するの?
私の業務はというと、
・役所への申請
↓
・判別
↓
・また別の役所への申請
↓
・判別
ということを繰り返し行います。
通常、一つの戸籍から判別できるのは、ひとつ前の本籍地のみなのです。
ということは、転籍を繰り返している場合は、この作業が何度も発生します。。。
また本籍地が遠方の場合は、郵送にて手続きを行いますが、その際に必要になるのが
「定額小為替」もしくは「現金書留」だったりします。
これを取得するのにもまた、郵便局に出向き、必要な枚数を揃えたりと
それだけでもまた大変な作業なわけです。
しかも、定額小為替を購入できるのは郵便局だけ。かつ、郵便窓口ではなく、「貯金窓口」。
基本的には平日の9時〜16時まで。(当然、郵便局により異なります)
ちなみに16時以降開いている貯金窓口がある全国の郵便局は
下記に詳しく載っていますので、よろしければ参考にしてください。
http://yubin.2-d.jp/c1/06.html
銀行の窓口が15時までなのを考えると、少しだけ猶予はありますが、
それでももう少し遅くまで、、、と思ってしまうのは私だけでしょうか。
話が逸れましたが、行政書士がこれを自分で全て行うには、かなり非効率。。。
というわけで私補助者が大活躍するわけです!
ただでさえ、ご親族が亡くなり憔悴しているところに、この作業は私だったら無理だなと思ってしまいます。
もちろん、これは亡くなられた後に発生する諸々の手続きのごく一部です。
そのたったごく一部の作業ですら、こんなに大変なのです。
そんな大変な作業を代行してやってくれるなら、ありがたいなって純粋に思いました。
行政書士はただの代書屋さんなのか?
補助者になる前は、行政書士って、個人でやれることを代行するんだよね?
みんなどうして自分でやらないんだろう?なんて思っていたのです。。。
(全国の士業の皆様ごめんなさい)
でも蓋を開けてみたら、そこは法律という名の元にたくさんの決まりや手順があって、
それらを理解して、かつそれを使いこなすことができなければ
前に進むことができないのだということを知りました。
「遺産相続」という言葉の裏には、たくさんのご家族の想いもあって、お一人お一人ご事情があります。
大切なご家族が亡くなられた後の大切な新たな一歩。
そのお手伝いをする行政書士は、ただ単に書類を作る人ではないのではないかと
勝手に胸を熱くしているサクラでございます。
そしてその行政書士のお手伝いをする補助者もまた、
ただ代行しているのではなく依頼者様にとって、少しでも余計な苦労をかけずに
新しい一歩を進むお手伝いができているのではないかなーなんて
烏滸がましいですが、ちょっとだけ胸を張りたい気持ちになったのでした。
相続などでお困りの方がお近くにいらっしゃったら、
ただの代書屋さんではない、専門知識をもった士業の方にぜひお気軽に相談してみてください。
もちろん、当事務所にご相談いただけたなら、
感情豊かな行政書士と、感情移入しやすい補助者が
全力でサポートいたします!!